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【作品解説】フィンセント・ファン・ゴッホ「開かれた聖書の静物画」

開かれた聖書の静物画 / Still Life with Bible

父と息子の異なる世界観の並列


概要


作者 フィンセント・ファン・ゴッホ
制作年 1885年
メディウム 油彩、キャンバス
サイズ 65.7cm x 78.5cm
コレクション ファン・ゴッホ美術館

《開かれた聖書の静物画》は、1885年にフィンセント・ファン・ゴッホによって制作された油彩作品。65.7cm x 78.5cm。アムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館が所蔵している。

 

描かれている重厚な聖書はファン・ゴッホの父親が所有していたものである。ゴッホの父親はプロテスタントの牧師だった。ゴッホは本作品を父の死の直後に描いている。聖書の横に描かれている書物はエミール・ゾラの『生きる歓び』で、この本は当時、モダン・ライフの"聖書"といわれていた。この2つの本はゴッホと彼の父の異なる世界観を象徴している。

 

ゴッホはテオに、「黃茶色の前景と黒の背景の間にある、革で縛られた開かれた白い聖書の静物画」と説明しており、特に黒色を強調したかったという。

 

しかし、テオはキャンバス全体が暗すぎて悲観的だと思い、印象派のようにもう少し明るい色を使うようアドバイスをしたといわれている。