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【作品解説】エドヴァルド・ムンク「憂鬱」

憂鬱 / Melancholy

人妻との不倫の憂鬱を描いた象徴主義作品


エドヴァンス・ムンク《憂鬱》(1891年)
エドヴァンス・ムンク《憂鬱》(1891年)

概要


作者 エドヴァルド・ムンク
制作年 1891年
メディウム 油彩、キャンバス
サイズ  72 cm × 98 cm (28 in × 39 in)
コレクション 個人蔵

《憂鬱》は、1891年にエドヴァルド・ムンクによって制作された油彩作品。1891年から1893年にかけてさまざまなバージョンの「憂鬱」シリーズを描いているが、どれも海岸線を背景にして頭に手を置いた憂鬱そうな男が描かれている。

 

モデルはムンクの友人でクルチャニア・ボヘミアンのメンバーだったジャッペ・ニルセンである。1891年、ニルセンは、クリスチャン・クローグの妻でニルセンより10歳上のオーダ・クローグと不倫関係になったといわれる。ムンクは、この不倫関係を自身の過去における不倫関係を反映する形で描いている。憂鬱は波打つ海岸線と左へ伸びていく揺らいだ曇り空などで表現されている。

 

《憂鬱》は1891年にオスロの「オータム・エキシビジョン」で展示された。美術家で記者のクリスチャン・クローングによればノルウェー人画家による最初の象徴主義作品だという。