【作品解説】ミロ・モアレ「ケルンの大量女性暴行事件への抗議」

ケルンの大量女性暴行事件への抗議


概要


スイスのパフォーマンス・アーティストのミロ・モアレが、2016年1月8日、ケルンのランドマークであるケルン大聖堂付近でヌード・パフォーマンスを敢行した。

 

「"Respect us! We are no fair game, even when we are naked!!!"(私達を尊重して!たとえ裸であっても、全く公正なゲームではない) 」という手書きのプラカードを掲げた。

 

ミロ・モアレによれば、このパフォーマンスは2015年の大晦日の夜、ドイツのケルンで大量に発生した性的暴行事件にもとづく女性の人権の支援を目的とした政治的主張だという。

 

ドイツでは、2015年の大晦日の夜、560人以上の女性が大勢の男に取り囲まれ、股間や胸をまさぐられる性的暴行や窃盗など650件以上の被害にあう事件が発生した。この事件で18人の難民申請者を含む32人の逮捕者が出た。

 

パフォーマンス時にドイツ警察は、近くに居合わせていたものの彼女のパフォーマンスを制止することはなかった。逆にモアレのパフォーマンスに近づく男性たちに注意を向け、彼女に近づけないよう警備を行なった。

 

おそらく、過去に性的暴行事件を止めることができなかった警察自身の失敗を償うための行動だったと思われる。