アンディ・ウォーホルとマーケット
世界の美術市場の6分の1を占める
アンディ・ウォーホルの作品の価値は、1987年に亡くなって以来、果てしなく上昇を続けている。2014年、彼の作品はオークションで5億6900万ドルにのぼり、世界の美術品市場の6分の1以上を占めた。
しかし、下落することもあった。美術商のドミニク・レヴィは、「ウォーホルの取引は、シーソーが坂道を登るようなもので、上がったり下がったりするが、新しい高値と安値はそれぞれ前回のものを上回っている」と述べている。
理由は、ウォーホルに興味を持った新しいコレクターが絶えず参入してきたためだという。
ウォーホル市場に参入してきたコレクターの層はさまざまで、その結果、需要のピークが訪れ、やがて満足し、スローダウンする。しかし、また別の層や次の世代へと繰り返されていき、結果的に価格は上昇していく。
1998年、マリリン・モンローを描いた《オレンジ・マリリン》(1964年)が1730万ドルで落札され、当時ウォーホルの作品の最高額として新記録を樹立した。
2007年、俳優のヒュー・グラントが所有していたウォーホルが1963年に描いたエリザベス・テイラーの作品《リズ(Colored Liz)》が、クリスティーズで2370万ドルで落札された。
2007年、ステファン・エドリスとゲール・ニーソンはウォーホルの《ターコイズ・マリリン》(1964年)を金融家のスティーブン・A・コーエンに8000万ドルで売却した。
2007年5月、クリスティーズの戦後および現代美術オークションで《グリーンカークラッシュ》(1963年)が7110万ドルで落札、また、《レモン・マリリン》(1962年)も2800万ドルで落札された。
2007年、サザビーズのオークションで《キャンベルスープの大缶》(1964年)が南米のコレクターに740万ドルで落札された。
2009年11月、サザビーズで《200枚の1ドル紙幣》(1962年)が4380万ドルで落札された。
2008年、《8人のエルビス》(1963年)はAnnibale Berlingieriから1億ドルで個人バイヤーに売却された。これは、ルビス・プレスリーがガンマンのポーズで描かれている作品で、1963年、ロサンゼルスのフェルス・ギャラリーで初めて展示された。ウォーホルはエルヴィスの肖像画を22版制作しており、そのうちの11版は美術館に所蔵されている。
2012年5月、サザビーズのオークションで《2人のエルビス(フェルス・タイプ)》が3700万ドルで落札された。2014年11月、クリスティーズで《3人のエルビス(フェルス・タイプ)》が8190万ドルで落札された。
2010年5月、ファッションデザイナーのトム・フォードが所有していた1986年のウォーホルの紫の自画像がサザビーズで3260万ドルで落札された。
2010年11月、エリザベス・テイラーをモデルにした《Men in Her Life》(1962年)がフィリップス・デ・プリュイで6340万ドル、《Coca-Cola (4) 》(1962年)がサザビーズで3530万ドルで落札された。
2011年5月、クリスティーズでウォーホルの1963年から64年の最初の自画像が3840万ドル、1986年の赤い自画像が2750万ドルで落札された。
2011年5月、フィリップスで《Liz #5 (初期カラーLiz》が2690万ドルで落札された。
2013年11月、1963年の二枚組作品《シルバー・カー・クラッシュ(二重遭難)》がサザビーズで1億540万ドルで落札され、ウォーホル作品の新記録を打ち立てた。
2013年11月、クリスティーズで《コカコーラ(3)》(1962年)が5730万ドルで落札。2014年5月にクリスティーズで、《ホワイト・マリリン》(1962年)が4100万ドルで落札された。
2014年11月、マーロン・ブランドを描いた《4人のマーロンたち》 (1964年)がクリスティーズで6960万ドルで落札された。
2015年5月、クリスティーズで、1963年から65年に描かれた《シルバー・リズ(二部作)》が2800万ドル、《カラー・モナリザ》(1963年)が5620万ドルで落札された。
2017年5月、ウォーホルの1962年の絵画《Big Campbell's Soup Can With Can Opener (Vegetable) 》は、クリスティーズで2750万ドルで落札された。
■参考文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/Andy_Warhol、2022年5月4日アクセス