表現主義とは、一般的に20世紀初頭に起こったドイツの表現主義のことを指す。その特徴は、内面的、感情的、精神的なものなど「目に見えない」ものを主観的に強調する様式である。
表現主義は、写実主義に対抗するように見えるが、実際は目に見える外側の世界だけを描いた印象派と対立するように生まれている。
ドイツの表現主義は、北ドイツのドレスデン、後にベルリンに拠点を置いた「ブリュッケ(橋)」グループと、南ドイツのミュンヘンに拠点をおいた「青騎士」グループに二分されるが、広義的には後期印象派のゴッホやムンクの不安や恐怖を表現した絵画も含むこともある。
ドイツの表現主義は第一次世界大戦終了後も残り、ワイマール共和国、特にベルリンにおいて建築、文学、映画、ダンス、音楽など他のさまざまなジャンルに拡大・発展したのがフォービスムやほかの表現主義と大きく異なる。
なお表現主義は、キュビズムや抽象絵画まで含めた前衛芸術全般のすべてを指し示すこともある。