《The Girl with the Knife in Her Hand》は1991年に奈良美智によって制作されたアクリル絵画作品。150.5 cm x 140.02 cm x 2.22 cm。サンフランシスコ現代美術館所蔵。
この作品は、奈良美智の代表的なシリーズである「頭の大きな女の子」の絵画の最初期の画期的な作品である。
本作品は奈良がドイツ留学中の1991年に制作されている。この時期の奈良は88年からドイツのA.R.ペンクの指導のもとデュッセルドルフの美術アカデミーで6年間学んでいる。当時の奈良は、ペンクの影響や表現主義の影響を受け、黒い荒々しい輪郭線を持つシンプルな具象画を描いていた。少女の手にはナイフ、チェーンソー、ピストルなどの武器を所有していることが多い。本作品はその頃に描かれている。
今回出品される《Hot House Doll,In the White Room III》と題された1995年の作品は、奈良がドイツに滞在していたころに制作した初期作品で、奈良の特徴的な子どもを主題としている。
この年、奈良はラム・アンド・ポーギャラリーで初個展を開催し、また、東京のSCAIザ・バスハウスでも個展を開催して、国際的な注目を集めはじめた。