『ピエタ』像は、バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂に収蔵されているミケランジェロによる彫刻作品。ミケランジェロのサイン入りの唯一の作品である。
この作品は、複数あるミケランジェロによる同主題「ピエタ」シリーズの最初の作品で、磔刑の後、母マリアの膝の上で抱かれたイエスの遺体を描いた有名な作品である。
『ピエタ』はローマに駐在していたフランスの枢機卿ジャン・デ・ビルヘールからの依頼で制作された。
カッラーラ産の大理石で作られたこの彫刻は、枢機卿の葬儀の記念碑のために作られたが、18世紀に現在の場所、バジリカの入り口北側の第一礼拝堂に移された。
ミケランジェロによるピエタ像の作風は、これまでのイタリアの彫刻でにはないもので、ルネサンスの理想とする古典美と自然主義のバランスをとった重要な作品として評価されている。