16日 5月 2020
《アネミックシネマ》は1926年にマルセル・デュシャンによって制作された実験映像。マン・レイが撮影協力をしている。
《ロトレリーフ》と呼ばれるデュシャンのドローイング作品を回転させたアニメーションで、10枚の「螺旋のある円盤」と9枚の「地口を書いた円盤」が、交互にひとつずつゆっくり回転しながら映しだされる。
「地口を書いた円盤」の方には「ローズ・セラヴィ」に収められたような語呂合わせが、ひとつずつ螺旋を描いて書き込まれている。題名のアネミックシネマ(Anemic Cinema)は、反対から読んでも同じように聞こえ、一見、回分のようなアナグラムによる言葉遊びがされている。視覚的な錯覚と言語的な錯覚をひとつに組み合わせた作品である。