《ひまわりの中の自画像》は、1953年から1954年にかけてフリーダ・カーロによって制作された油彩作品。
ナショナリズムで共産主義者だったフリーダ・カーロは生涯を通じて政治運動に関与していたが、その政治色が美術にはっきりと現れるのは、彼女の人生の晩年期である。本作品もまた最晩年の作品のひとつで、フリーダの自画像だが、それはカール・マルクスを彷彿させる自画像になっている。
ライオンのような立派な髪とひげをたくわえ、台座のようなものに座禅を組んでいる。背景には山が描かれ左上に日輪のような赤い球体が描かれている。自身の顔はしおれたひまわりとカール・マルクスをダブルイメージしているのだろう。ひまわりは太陽の動きと密接していることで知られ、全体的には活気に満ちたエネルギーと感情的な強さを表している。