24日 2月 2019
《ギターのレッスン》は、1934年にバルテュスによって制作された油彩作品。161cm×138.5cm。個人蔵。
本作品は、女教師が少女の髪をひっぱり折檻しているシーンを描いている。少女のスカートがまくりあげられ、下半身が露出し、少女は抵抗するかのように女教師のドレスを引っ張り、女教師の胸をはだけさせている。手前には小さなギターが投げ出されるように置かれている。
バルテュスの解説によると、この女教師は少女の身体をギターの代わりに弾いているという。ボードレールの『悪の華』の中の「レスボス」の一節を引用して説明している。「なぜならレスボスが、地上の万人の中から私を選んだのだ、/島に花と咲く処女たちの秘密を歌うようにと」。
手鏡を見ている少女のモデルは、第二次世界大戦中バルテュスが一時期住んでいたスイスのフリブール郊外にいたオディル・ビュニョンである。少女は右胸を半分のぞかせ、左膝を立てて、右脚を伸ばし股を開き、手鏡を見ている。少女の左側から光が入り、光がさしこむテーブルに置かれた洗面器は、西洋美術においては伝統的に「純潔」を象徴するといわれる。