カテゴリ:コラージュ



【美術解説】マックス・エルンスト「コラージュ技法で知られるシュルレアリスト」
アーティスト一覧 · 29日 2月 2024
マックス・エルンスト(1891年4月2日-1976年4月1日)はドイツの画家、彫刻家、グラフィックアーティスト、詩人。ダダおよびシュルレアリスム・ムーブメントの開拓者。ケルン・ダダの創始者。 正規の美術教育を受けていないが、1921年にコラージュ作品を発表して大きな影響を与える。コラージュの代表作は『百頭女』や『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』といった物語とコラージュを融合させたコラージュ・ロマンシリーズ。 シュルレアリスム時代には「自動記述」の最初の実験をおこなっている。ほかに、鉛筆による擦過で物体の輪郭を浮かび上がらせる技法であるフロッタージュや、絵具をキャンバスに擦りつけて下に置かれた物体の痕跡を明らかにする類似の技法であるグラッタージュを考案した。 第二次世界大戦中は、戦火を避けてニューヨークに亡命し、アンドレ・マッソン、フェルナン・レジェ、ピエト・モンドリアンらとともにのちのアメリカ美術に多大な影響を与えた。 画家、彫刻家、詩人として、生涯にわたりシュルレアリスムの深さと多様性を体現。理論家として論文も多数書いて評価を高めた。
【作品解説】マックス・エルンスト「百頭女」
作品解説 · 17日 12月 2021
『百頭女』は1929年にマックス・エルンストが制作した初コラージュ小説。19世紀の挿絵本やカタログの木版画を切り抜き貼りあわせ、エルンストの奇妙なキャプションが添えられ、ゆるやかな物語が展開される。 原題を「 La Femme 100 Tetes」 といい、英題は「 The Hundred Headless Woman」である。サンテート(100 tetes)はサンテート(sans tetes:無頭)にもなるというシュルレアリストがよく使うダジャレを考えると、「100の首を持つ女」というよりは、「100人の首のない女」または「100の首のない女」と解釈したほうがよいかもしれない。英題のWomanは単数形になっているが、100の首があろうが1人であるからである。

【美術解説】岡上淑子「伝説の女性コラージュニスト」
アーティスト一覧 · 13日 12月 2021
岡上淑子(1928年生まれ。高知出身のシュルレアリスム系コラージュ作家。現在(2021年)93歳、高知在住。 学生時代に瀧口修造に見出され、コラージュアーティストとしてデビューして、おもに1950年代に美術活動を行う。60年代以後は、姿を見せなくなるが、2000年頃から再評価されはじめる。 初の大規模な回顧展「岡上淑子コラージュ展--はるかなる旅」が2018年、高知県立美術館で催される。 また、東京都庭園美術館で2019年3月から4月にわたり、個展「フォトコラージュ—岡上淑子 沈黙の奇蹟」を開催。 海外でも注目高まり、2021年にメトロポリタン美術館の「国境を越えるシュルレアリスム」展に古賀春江、岡本太郎と並んで日本のシュルレアリスム作家として参加、紹介される。
28日 4月 2020
M!DOR!(1986年横浜市生まれ)は日本のグラフィックデザイナー、コラージュアーティスト。高校時代にロシア・アヴァンギャルドに影響を受け、独自にコラージュ作品を作り始める。 文化女子大学 編集デザインコースを卒業後、5年間デザイン事務所やデザイン会社に勤務。企業広告や販売ツールのデザイン制作を通じてグラフィックデザイン技術を習得。仕事の傍らも日々コラージュを制作。 2010年よりコラージュアーティストとして活動開始し、現在に至る。 コラージュ素材の多くは1900〜40年ごろに欧米で発行された雑誌、カッターと糊のみを使用したアナログな手法で作品を制作する。MiDOR!は、作品のことを「住人」と呼ぶ。「住人」とは「感情・感覚」のことで、自分の感情や感覚をそのまま反映させている。 またロシア・ヴァンギャルドの影響やグラフィックデザイン技術があることから、ほかのコラージュアーティストよりも、作品におけるデザイン性や幾何学的抽象性が高い。

13日 1月 2020
コラージュは芸術における表現手法の1つで、おもに視覚美術の領域で使われる。 異なる素材を組み合わせて、本来の素材が持っていたイメージや性質が切り離され、新しいイメージや性質を作成する技法である。そのため錬金術と言われることもある。よく利用される素材は雑誌、新聞の切り抜き、リボン、絵、写真など。 コラージュの起源は数百年さかのぼることが可能だが、20世紀初頭に前衛芸術の1つの手法として劇的なムーブメントを起こした。なお"コラージュ"という言葉は20世紀初頭にジョルジュ・ブラックとパブロ・ピカソによって作られた造語である。
16日 1月 2018
岡上淑子(1928年生まれ。高知出身のシュルレアリスム系コラージュ作家。現在(2013年)85歳、高知在住。学生時代に瀧口修造に見出され、コラージュアーティストとしてデビューして、おもに1950年代に美術活動を行う。60年代以後は、姿を見せなくなるが、2000年頃から再評価されはじめる。 優美で不穏、繊細で大胆―― 幻のコラージュ作家・岡上淑子のコラージュ128点、写真22点を収録した完全版作品集。 作品一覧、所在不明作品一覧、新聞掲載の童話も含めた自筆テキスト、年譜、展覧会歴、参考文献、池上裕子氏の論文など、詳細な資料を収める。 高知県立美術館「岡上淑子コラージュ展―はるかな旅」公式図録。