カテゴリ:エル・リシツキー



18日 5月 2020
《赤い楔で白を穿て》は1919年にエル・リシツキーによって制作されたソ連のプロパガンダポスター。一見するとシュプレマティスムの純粋絵画に思えるが、この絵は明確にプロパガンダ・ポスターを意図して制作されている。ロシア構成主義の一例としてよく紹介される。 ロシア内戦中に敵対勢力である白人運動を貫き、撃破しているボリシェビキを象徴している。ロシアは当時内乱状態で、「赤(共産主義者)」と「白(保守者、リベラル派、ボルシェを革命に反対するほかの社会主義者)」に分かれていた。この絵は、赤いくさびが白いフォルムを打ち砕くイメージは、シンプルながらも、その意図を疑う余地のない力強いメッセージを伝えていた。