ルシアン・フロイドの3つの習作 / Three Studies of Lucian Freud
ルシアン・フロイドのポートレイト
概要
作者 | フランシス・ベーコン |
制作年 | 1969年 |
メディア | カンヴァスに油彩、3つのパネル |
サイズ | 198 cm × 147.5 cm |
所蔵者 | エレーヌ・ウィン |
《ルシアン・フロイドの3つの習作》は1969年にフランシス・ベーコンによって制作された油彩三連画作品。ベーコンのマスターピースの1つとされれている。描かれているのは画家でジクムント・フロイトの孫であるルシアン・フロイド。2013年11月にニューヨークのクリスティーズで1億4240万で売買され話題になった。
3つのパネルはすべてベーコンの代表的な抽象的で、顔に歪みがあり、孤独な雰囲気で描かれているが、色あいはいつものベーコン作品よりも明るめになっている。フロイドはオレンジ色の壁と湾曲した茶色の床を背景に、になっている鳥かごのようなものの中で木製の椅子に座っている。
フロイドの後ろにはベッドのヘッドボードが描かれているが、これは写真家のジャン・ディーケンが1964年に撮影したフロイドの写真をもとにしている。描かれているのはフロイドではあるもの、ベーコンの恋人のジョージ・ダイアーと非常によく似ている。
ベーコンとフロイドの間柄
ベーコンとフロイドは親友であり芸術家のライバル同士だった。1945年に画家のグラハム・サザーランドの紹介で二人は出会い、すぐに二人は親しくなった。1951年から二人は何度もお互いのポートレイトを描くようになる。
ベーコンによって描かれた《ルシアン・フロイドの3つの習作》は2つあるが、本作はそのうちの後の作品である。最初の作品は1966年に制作されたが、1992年から行方不明になっている。
またこの作品は、1960年代に頻繁に描かれたベーコンの親友のポートレイトシリーズでもある。このシリーズではフロイド以外ではほかに、イザベル・ニコラス、ミューリエル・ベルチャー、そしてベーコンの愛人だったジョージ・ダイヤーなどが対象としてよく描かれている。なお、ベーコンとフロイドの交友は1970年代なかばに起こった口論のあと終わっている。