【作品解説】バンクシー「マイルド・マイルド・ウェスト」

マイルド・マイルド・ウェスト / The Mild Mild West

ブリストル・アンダーグラウンドの象徴


※1:バンクシー《マイルド・マイルド・ウェスト》
※1:バンクシー《マイルド・マイルド・ウェスト》

概要


作者 バンクシー
制作年 1999年
メディア 壁画、グラフィティ
場所 プブリストル、ストークス・クロフト80番地

『マイルド・マイルド・ウェスト』は、1999年にバンクシーによって制作されたグラフィティ作品。テディ・ベアが3人の機動隊隊員に向けて火炎瓶を投げている絵である。このグラフィティ作品は、イギリス、ブリストルのストークス・クロフト80番地にある床屋の二階の外壁に描かれており、現在も壊されず存在している。

 

バンクシーは1999年、昼間に3日間かけてこのアート作品を制作した。この作品を制作した1990年代のブリストル近郊には放棄された倉庫がたくさあり、そこではさまざまな無免許のレイブやパーティが開催されていた。

 

この作品はそうしたアンダーグラウンド・シーンに対応して制作されたもので、以後、警察が関心を高めるようになった。作品制作の直接の引き金になったのはウインターストーク・ロードで開催されたイベントで、このイベントに機動隊が突入し、パーティを攻撃しはじめた。

 

現在、この作品はストークス・クロフト周辺のランドマーク的なものと認識されるようになり、地域のコミュニティに非常に人気がある。さらに、リッラクスしたヒッピーが政府や商業主義に反対して戦うことを表現したブリストル・アンダーグラウンド文化を象徴する典型的なアート作品として語られつつある。

 

2009年4月、本作品は「Appropriate Media(適切なメディア)」という反グラフィティ防団体により、赤い絵の具で塗りつぶされたが、ボランティアたちによりすぐに修復された。

 

ブリストル市議会は、グラフィティをガラスの壁で囲む計画を発表されたが、通りから絵を鑑賞するのが難しくなるため、地元のコミュニティから批判を受けた。