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【作品解説】マルセル・デュシャン「ソナタ」

ソナタ / Sonata

デュシャンのキュビスム初作品


マルセル・デュシャン『ソナタ』,1911年
マルセル・デュシャン『ソナタ』,1911年

概要


作者

マルセル・デュシャン

制作年 1911年
サイズ 128.5 × 10.2 cm
メディウム キャンバスに油彩
所蔵 フィラデルフィア美術館

『ソナタ』 は、1911年にマルセル・デュシャンが制作した油彩作品であり、彼が初めてキュビスムに挑戦したことを示す重要な一枚です。

 

デュシャンは当初、兄であるジャック・ヴィヨンやレイモン・デュシャン=ヴィヨンとともに、この前衛的なスタイルを支持し、模倣していました。当時、パリやその周辺で活動していた画家たちの影響も受けています。

 

この作品は、デュシャンの故郷フランス・ルーアンで姉妹が開いた音楽リサイタルの様子を描いています。ピアノを弾くイヴォンヌ、ヴァイオリンを奏でるマグドレーヌ、前景に座るシュザンヌ、そして背後で耳を傾ける母親——家族の音楽のひとときが、画面に収められています。

 

緻密に絡み合うシンメトリーな構図と、落ち着いた色調が調和し、姉妹による二重奏のハーモニーに視覚的な生命 を吹き込んでいます。


■参考文献

https://philamuseum.org/collection/object/51429,2025年2月7日アクセス