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【作品解説】マックス・エルンスト「カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢」

カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢 /  Rêved'unepetitefille Qui Voulut Entrer Au Carmel

2番目のコラージュ・シュルレアリスム小説


概要


作者 マックス・エルンスト
制作年 1930年
出版場所 パリ

『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』は、1930年に出版されたマックス・エルンストの2冊目のコラージュ・シュルレアリスム小説。

 

ヴィクトリア朝のペニー小説や科学・自然に関する一般書から切り取ったイメージを素材にしてコラージュされたもので、マリーは、初聖体拝領の際にレイプの被害に遭い処女を喪失し、カルメル会の修道女になることを決意した思春期の少女の物語を描いている。

 

魂と肉体を奴隷にする宗教に対する激しい告発であり、彼女の潜在的な欲望とその夜に体験する罪深く幻想的な悪夢を視覚化しており、それぞれのイメージに皮肉たっぷりに気取ったテキストを一行添えている。

 

シュルレアリスムの最も重要な推進者の一人であるエルンストは、そのキャリアにおいて『百頭女』『慈善週間』など同様のコラージュ小説を数多く制作したが、それらはすべて合理的な解釈に抵抗する理由で制作された。