アイ・ウェイウェイ、巨大な鉄の木の作品を公開
葉がなく中は空洞で錆びた大樹
中国の芸術家で反体制派のアイ・ウェイウェイは、2021年7月22日、ポルトガルのポルトで開催したアイ・ウェイウェイの個展「Intertwine」の一環として、セラルヴェス現代美術館の公園に高さ32メートルの鉄製の木『Pequi Tree』と題した新作を公開した。
アイは2015年に中国を離れることを許可された後、家族と一緒にドイツのベルリン、英国のケンブリッジに住み、2021年からポルトガルに住んでいる。
この作品は、森林破壊による壊滅的な影響に対する認識を高めることを目的としたものである。
4年前、ブラジルの森林を調査していたアイは、バイーア州のトランコーゾ熱帯雨林で、絶滅にひんしている高さ30メートルのペキの木を偶然発見した。
アイは中国の職人のチームを派遣して、その場で足場を作り、ペキの木全体の鋳型を作った。その鋳型を中国に持ち帰られ、鋳型をもとに鋳造したあと、アイの新天地であるポルトガルに送り、初めて組み立てて展示した。
アイが制作した大樹は、葉がなく、幹が空洞で、鉄が錆びているように見え、来場者に地球が直面している環境の脅威を想起させる。
「人々はこれらの作品を見て、私たちが将来失うかもしれないものについて考えるべきです」と、63歳のアイは語っている。「これは...私たちが行動を起こさなければ何を失うのかという警告なのです」。
ブラジルのアマゾンでは、2019年に右派のジャイル・ボルソナロ大統領が就任して以来、森林伐採が急増している。ボルソナロは、アマゾンの保護区での採掘や農業を勧め、環境を破壊させている。
「ブラジルは、自分たちの最高の資源である熱帯雨林や自然を犠牲にする明確な政策をとっています」「そしてそれは、ブラジルだけではなく、地球の最高の資源でもあるのです」とアイは語る。
科学者たちは、アマゾンの熱帯雨林が吸収する膨大な量の温室効果ガスのために、気候変動を抑制するためにはアマゾンの保護が不可欠であると述べている。
「問題は、私たちが過ちから学ばないこと...本当に教訓を学ばないことです」とアイは語り、「さらに大きな」環境災害に備えることを世界に呼びかけた。
この展覧会は、ポルトのSerralves博物館と公園で開催されており、来年まで公開される予定だ。
アイ・ウェイウェイは、今日生きている最も有名な中国人芸術。社会活動家として、彼は壮大な規模で人権侵害に注意を呼びかけている。アーティストとして、彼はアートの定義を拡張し、そこには新しい形の社会的活動もアートと認識している。
中国共産党は、反体制派で長年の批評家である現代アーティスト、アイ・ウェイウェイの北京スタジオを破壊し、逮捕もされている。
■参考文献
・https://www.asiaone.com/world/ai-weiwei-unveils-giant-iron-tree-warn-people-what-they-risk-losing、2021年7月28日アクセス