不許複製 / Not To Be Reproduced
エドワード・ジェームズの肖像
概要
作者 | ルネ・マグリット |
制作年 | 1937年 |
メディウム | キャンバスに油彩 |
サイズ | 81.3 cm × 65 cm |
所蔵社 | ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館 |
《不許複製》は1937年にルネ・マグリットによって制作された油彩作品。ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館が所蔵している。
マグリットをはじめシュルレアリムの大パトロンだったエドワード・ジェームズからの依頼で制作された作品。自宅の舞踏室に飾るために制作したようである。描かれている男性はエドワード・ジェームズである。ジェームズは、鏡の前に立っているが、ボードの上に置かれている本は正しく鏡に反映しているのに対して、男性は後ろ向きのありえないイメージとなっている。
置かれている本はエドガー・アラン・ポーの「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」である。ポーはマグリットが好きな小説家で、作品の中でよくポーの作品をヒントに制作している。たとえば「The Domain of Arnheim」(1938年)は、ポーの同名の短編小説から引用している。
マグリットはこの《不許複製》以外にも、ジェームズのポートレイト作品《エドワード・ジェイムズの肖像》や《貫かれた時間》などいくつか依頼制作での作品を描いているが、本作はジェームズの疎外感を表現したものと言われている。