【作品解説】アメディオ・モディリアーニ「赤いヌード」

赤いヌード / Red Nude

最も高額な近代美術様式のヌード画


概要


作者 アメディオ・モディリアーニ
制作年 1917年
メディア カンヴァスに油彩
サイズ 60×92cm
所蔵者 刘益谦

《赤いヌード》は1917年にアメディオ・モディリアーニよって制作された油彩作品。モディリアーニの代表作で最もよく複製され、また展示されている作品の1つ。2015年11月9日のニューヨーク・クリスティーズで約1億7000万ドルで落札され、これまでのモディリアーニ作品では最高価格を記録した。購入者は中国の実業家である刘益谦(Liu Yiqian)。

 

本作品は、1917年にモディリアーニの画商であったレオポルド・ズボロフスキーからの依頼で制作されたシリーズ「ヌード画」の1作品で、同年、ベルテ・ウェイル画廊で開催されたモディリアーニの最初で最後の個展で展示された。2015年11月のクリスティーズの売上記録から、モディリアーニのヌード画シリーズの需要の高さは、ヌードを主題とした近代美術作品の力強さを再確認できたという。

 

『ガーディアン』誌の批評家ジョナサン・ジョーンズは、モディリアーニはティツィアーノの作品《ウルビーノのヴィーナス》を基盤にしていると批評している。人体を崇拝するその伝統と近代的な表現の融合は、ピカソやマティスよりも10年以上前にモディリアーニによって成し遂げられ、裸体画の復活を果たした。ジョーンズはモディリアーニは宗教家であり、彼の宗教とは欲望であったと批評している。

 


■参考文献

Nu couché - Wikipedia、2017年6月25日アクセス