ミニマックス・ダダマックス自身が組み立てた小さな機械 / Little Machine Constructed by Minimax Dadamax in Person
機械をモチーフにした作品の代表作
概要
作者 | マックス・エルンスト |
制作年 | 1919〜1920年 |
メディウム | ミクストメディア |
サイズ | 49.4 cm × 31.5 cm |
所蔵者 | ベニス・ペギー・グッゲンハイム・コレクション |
《ミニマックス・ダダマックス自身が組み立てた小さな機械》は、1919〜1920年にかけてマックス・エルンストが制作した作品。ダダが設立された年にケルンで制作された。
イタリア、ベニスのペギー・グッゲンハイム・コレクションが所蔵している。
厚手の茶色のパルプ紙に手鉛筆とインクを使ったフロッタージュ技法、水彩、ガッシュなどさまざまな素材が使われたミクストメディア作品となっている。
本作品はエルンストの科学機器のモチーフにした一連の作品の中で、最も有名な作品として知られており、性的抑圧を表現したものだという。
主題とスタイルの両面において、フランシス・ピカビアの機械的なドローイングや絵画と比較することができる。エルンストはピカビアとタイポグラフィー、印刷物、言語への関心を共有していた。ジョルジュ・デ・キリコの影響も受けいていると思われる。
この絵画は、2つの側面を持つ相互に接続された実験装置で構成されている。作品の右側のセクションには、角張ったインスタレーションがある。2つのU字管のように見え、一方は下を向き、もう一方は上を向いている。液体が入っているように見える。
エルンストは、右の物体に汚い黄色と茶色を混ぜたようなくすんだ色を使っている。左側の物体、ブルー、マルーン、グレイの組み合わせで、より鮮やかな色になっている。
この作品には、エルンストのタイポグラフィへの関心も表れている。器具で構成された形の多くは、「Y」や「X」などの文字として見ることもできる。
これらの文字は、ピカビアの《地球の上のとても珍しい絵》や《子供のキャブレター》、あるいはマルセル・デュシャンの《独身者に裸にされた花嫁》のように、性的行為の象徴とみなされる機械構造を説明するためにも機能している。
■参考文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/Little_Machine_Constructed_by_Minimax_Dadamax_in_Person、2021年12月17日アクセス
・https://www.guggenheim.org/artwork/1129、2021年12月17日アクセス