【美術解説】藤野一友「中川彩子という別名を持つシュルレアリスト」

藤野一友 / Kazutomo Fujino

中川彩子という別名を持つシュルレアリスト


※1:藤野一友 《カテドラル》
※1:藤野一友 《カテドラル》

概要


藤野一友(1928年〜1980年)は日本の画家。

 

文化学院大学在学時に二科展に入選したのをきっかけに画家の道を歩み始める。1950年代には読売アンデパンダン展への出品。瀧口修造に奨励を経て、タケミヤ画廊で本格的な初個展を開催。以後、数回の個展を開いた。

 

サルバドール・ダリやジョルジョ・デ・キリコなどのデペイズマン系シュルレアリストの影響が濃く見られる作風が特徴。60年代は、夢見る女性像を媒介にひそやかな欲望を、女性の夢のかたちをとって描いた。「レダのアレルギー」「卵を背負った天使」「抽象的な籠」などが60年代の代表的な作品である。

 

また、中川彩子というペンネームでも活躍している。(一般的にはこちらのほうが有名)

。そのペンネームとともに『裏窓』『風俗奇譚』といった雑誌で作品を発表し続けた。

 

元妻はフォトコラージュ作家の岡上淑子。父は高名な漢文学者にして折口信夫とも深いつきあいのある藤野岩友。三島由紀夫や澁澤龍彦との付き合いも深い。

 

<関連ページ>

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