薄久保 香 / Kaoru Usukubo
相反する要素をまとめて結晶化する現代美術家
概要
生年月日 | 1981年生まれ |
国籍 | 日本 |
活動基盤 | 東京、京都 |
芸術運動 | コンテンポラリー・シュルレアリスム |
表現媒体 | 絵画 |
公式サイト | https://www.kaoru-usukubo.com/ |
薄久保香(1981年生まれ)は日本の画家。ベラスケスやダリのような洗練された伝統的技術でキャンバス上に相反する二つの要素をまとめたシュルレアリスム的な作品を描く。
彼女は本来遭遇しない要素が集合することで発生するエネルギーを「結晶」と呼び、また自身の絵画を「結晶時間 crystal moment」と呼んでいる。
偶然の邂逅から生まれる永遠の時間を捕らえようとする薄久保の絵画は、常に変化し拡張し続けるこの世界の本質を理解するための実験、手助けとなるだろう。
薄久保は幼少時からテレビゲームやアニメといった虚構の世界、また、コンピュータやデジタルカメラといった映像データの世界に幼少時から親しんできた。彼女は仮想現実と現実世界という相反する世界の間で、リアリティについて問いかける絵画を制作している。
Kaoru Usukubo (born in 1981) is a Japanese painter. Draws surrealistic works that combine two conflicting elements on the canvas with sophisticated traditional techniques such as Velasquez and Dali.She calls the energy that is generated by the collection of elements that are not originally encountered as “crystals” and her painting as “crystal moment”.
Usukubo's paintings that try to capture the eternal time born from the accidental traps will help to experiment and understand the essence of this ever-changing and expanding world.
Usukubo has been familiar with the fictional world such as video games and animations since childhood, the world of video data such as computers and digital cameras since childhood.She expresses reality between the conflicting worlds of virtual reality and the real world.
略歴
2004年東京造形大学卒業。2007年4月に行われたアートフェア東京そして、6月のバーゼルでのアートフェアVOLTA show03をきっかけに世界中から注目を集め始める。
2010年東京藝術大学大学院で博士号(油画)を取得。
広く一般的に知られる機会となったのは2011年の横浜トリエンナーレである。2007年作《D&D Delicate discovery》では、全体的にはおとなしく後ろ向きでたたんずでいる少年だが、髪だけが敏感に逆だっており、テレパシーや霊的な現象を感じ取る子どもの無垢なパワーを表現しているように見える。
薄久保の描く少年や少女たちは、全体的にどこか孤独で悲しげである。腕で顔を隠している姿は泣いているように見える。遊んでいる絵にしても、複数の子どもたちが楽しそうに描かれる風景ではなく、ほとんどは一人遊びである。
かつて、ルネ・マグリットが《ゴルコンダ》で現代における大衆の孤独性を表現したが、薄久保が描く子どもたはルネ・マグリットが描く大衆の姿と重なるところがある。