旗 / Flag
ジャスパー・ジョーンズの代表作
概要
作者 | ジャスパー・ジョーンズ |
制作年 | 1954-55年 |
メディア | カンヴァスにエンカウスティーク油彩、新聞 |
サイズ | 107.3 cm × 153.8 cm |
所蔵者 | ニューヨーク近代美術館 |
「旗」は1954から55年にかけてジャスパー・ジョーンズによって制作されたエンカウスティーク油彩作品。米軍の兵役を終えて2年後、ジョーンズが24歳のときに制作したもの。
1954年作の旗は、アメリカン・ドリームに触発されたジョーンズ作品の最初期の作品とみなされており、最もよく一般的に知られているジョーンズの作品でもある。彼はよく大衆文化かのオブジェクトやイメージを利用していたこともあり、ネオ・ダダやポップ・アートの代表的な作品として美術史では位置づけられている。
ジョーンズはアメリカ国旗を基盤とした作品を40作品以上制作している。ほかに有名な旗作品は1955年作の「白旗」や1958年作の「3つの旗」がある。
制作意図
「ある夜、私は大きなアメリカの旗を描く夢を見た。翌朝、起床したらすぐに出かけて素材を買いに出て作り始めた。制作には長い時間がかかった」(ジャスパー・ジョーンズ)
ジョーンズが描く対象として米国旗の選択した理由として、シンプルで分かりやすいアメリカな幾何学デザインと複雑な象徴的意味合いの両方を持ち合わせた身近な二次元オブジェクトだったためである。
また、ジョーンズは「既にみんなが知っていること」を描こうとしていた。その最もたるイメージがアメリカの国旗だった。ジョーンズは国旗のような身近なイメージを利用することは、新しいデザインを創造する必要性から自由になり、また絵画制作二柱中することができたと話している。
批評家たちは旗が描かれているのか、それとも旗そのものなのかどうかわからなかったが、ジョーンズはのちに両方であると話している。
国旗の絵と新聞のコラージュ
1912年から1959年間のアメリカの国旗を表現しており、星の数は48である。アラスカ州とハワイ州の数だけ現在の国旗よりも星の数は少ない。13の赤と白のストライプが描かれており、ストライプの下には新聞がコラージュされている。
コラージュされている新聞のテキストを読むと、新聞は適当に選ばれてはいない。ジョーンズは見出し国家や政治に関するニュースを無視して、まったく重要でない記事や広告をコラージュしている。
絵の表面は粗めのテクスチャで、描かれている48の星は同じ大きさや形ではない
2014年11月に1983年作の「旗」はニューヨーク・サザビーズで3600万ドルで落札された。
所蔵者
本作品は1958年初頭にレオ・カステリ・ギャラリーでの初個展で展示され、当初ニューヨーク近代美術館の館長であったアルフレッド・バリが購入を検討していたが、非国民とみなされる恐れがあったため、友人のフィリップ。ジョンソンに代わりに購入してもらい、ジョンソンがニューヨーク近代美術館に寄贈するというプロセスをとった。
■参考文献
・Flag (painting) - Wikipedia、2017年8月5日アクセス