抗議者に引き倒されようとしているコルストン像
両者が納得いく新しい像
概要
本作品は2020年6月9日に、バンクシーのインスタグラムのアカウントに投稿されたドローイング作品。
2020年6月7日、イギリスのブリストルで「ブラック・ライブズ・マター」運動の過激化ともない、市の中心に立てられていた17世紀の奴隷所有者エドワード・コルストン像が撤去され、海に投げ落とされる事件が発生した。
投稿した作品とともに以下のようなコメントをインスタグラムに追加している。
「ブリストルの中心で空っぽになった台座をどうしようか? コルストン像を恋しく思う人と恋しくない人の両者が納得するアイデアを思いついた。像を海から引きあげて台座に戻したあと、首を縄で巻きつけ、引き倒そうとしている抗議者の実物大のブロンズ像を作るんだ。みんなハッピー。素晴らしい日を祝福しよう」
投稿から1時間も経たないうちに、バンクシーの投稿は50万以上の「いいね!」を獲得した。
エドワード・コルストンの会社は、1672年から1689年の間に西アフリカからカリブ海とアメリカ大陸に10万人以上の奴隷を送ったが、2万人以上の奴隷が不衛生な環境、栄養失調、赤痢のために移動中に亡くなった。
像の撤去にいたるまでの抗議活動「ブラック・ライブズ・マター」運動は、ジョージ・フロイドがミネアポリスの警察に殺害されたのきっかけに始まった。
バンクシーは6月6日にフロイドの死に関する作品をインスタグラムに投稿し、「有色人種の人々は白人が作った制度によってよくないことになっている」とコメントしている。
■参考文献