2022年10月11日、ダミアン・ハーストは、自身のNFTアートを販売した後、そのNFTアートと関連付いている物理的なアートを燃やした。
ダミアンは、最新のアート作品を購入した人に対して、物理的な作品か物理的な作品を表すNFTのどちらかを選ぶよう注文した。
NFTを選択した人は、対応する物理的な作品が焼却されることを告げられた。焼却された作品は、総額1,000万ポンド(約16億円)近くになると推定されている。
燃やされた作品群は、1万点のオリジナル作品に対応する1万個のNFTで構成されている。この作品を購入したコレクターは、購入したNFTアートを保管するか、またはNFTアートを物理的な作品と交換するかを選択しなければならなかった。
ロンドンのニュースポート・ストリート・ギャラリーによると、5,149人が物理的な作品に交換し、4,851人がNFTアートを選択したという。
交換されなかったNFTアートの元となる物理的な作品は破棄されることがバイヤーに伝えられ、ハーストは今週初め、自身のInstagramのフォロワーに、最初の1,000点のアートワークを2022年10月11日の火曜日に燃やすと告げた。
色とりどりの斑点が描かれたNFTは、1枚2,000ドル(約30万)で落札されたという。
ライブストリーミングでは、ターナー賞受賞者とアシスタントが、見物人が見守る中、山積みにされた個々の作品をトングでつまみ、ギャラリーに設置された暖炉に投げ込まれた。
ハーストは言う。「多くの人は、私が何百万ドルもの美術品を燃やしていると思っているようですが、そうではありません。物理的な作品を燃やすことで、NFTへの変換を完了させているのです。私が言いたいのはデジタルであれフィジカルであれ、最早定義しがたいアートの価値は失われることなく、焼却されると同時にNFTに移管されます」。
作品を燃やした感想を聞かれ、ハーストはこう答えた。
「いい気分だ、思っていたよりいい」。
作品は2016年に手漉き和紙にエナメル塗料で制作され、それぞれに番号、タイトル、スタンプ、サインが付けられている。
10月30日のThe Currency展の閉幕まで、物理的な作品は燃やされる予定である。
■参考文献
・https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-63218704、2022年10月12日アクセス