サルバドール・ダリの作品一覧
シュルレアリスムの巨匠、サルバドール・ダリ。その幻想的で挑発的な世界を、作品ごとに深く掘り下げるデータベースです。絵画、彫刻、写真、デザインなど、彼の多岐にわたる創造の軌跡を探求しましょう。

ダリのプロフィール
サルバドール・ダリは最も影響力のあるシュルレアリスム芸術家の一人で、その作品はしばしば奇妙な視覚的イメージやシンボルを特徴とした夢のようなシーンを思い起こさせるものです。
代表的な作品である『記憶の固執』(1931年)はその典型的な夢のようなな作風で、ダリはジグムント・フロイトの心理学の影響を受け、潜在意識や夢をイメージ化することに関心をもっていました。
ダリの作品は、絵画だけでなく映画、彫刻、デザイン、プロダクトデザインなどさまざまな分野にわたります。彼の多岐にわたる作品を見ていきましょう。(サルバドール・ダリの生涯に関してはこちら)
代表作

『記憶の固執』はダリ初期の作品であり、ダリの代表作として知られています。「柔らかい時計」や「溶ける時計」と呼ばれることもあります。現在本作は、ニューヨークにあるニューヨーク近代美術館に収蔵されています。(続きを読む)

『大自慰者』は、1929年にサルバドール・ダリによって制作された油彩作品。『記憶の固執』とともにダリの初期の代表作とみなされており、若き日のダリの性的衝動が表現されています。(続きを読む)

『茹でた隠元豆のある柔らかい構造(内乱の予感)』は、1936年から始まるスペイン内乱の不安を察知してダリが描いた作品です。この絵画を描いてから6ヶ月後に実際に内乱が勃発しました。そうしてダリは「潜在意識には予言力がある」と気付き、芸術の予言性を伝えました。(続きを読む)

『水面に象を映す白鳥』は、1937年に制作された作品です。ダリが発明した絵画方法である「偏執狂的批判的方法(ダブルイメージ)」で描かれた代表的な作品として知られています。(続きを読む)

『ナルシスの変貌』は。《水面に象を映す白鳥》と並んで、偏執狂的批判的方法(ダブル・イメージ)を利用した代表的な作品の1つであり、ダリの代表作の1つと見られています。主題はローマの詩人オウィディウスの『転身物語』です。(続きを読む)

『新人類の誕生を見つめる地政学の子供』は第二次世界大戦勃発後、ダリが1940年から1948年までアメリカに亡命していたときに描いた作品です。この時期は近代美術の核心である抽象性に反発して、古典絵画やカトリック宗教からインスピレーションを受けていました。(続きを読む)

『聖アントワーヌの誘惑』は、1946年に制作された作品で、ダリの「古典主義時代」「ダリ・ルネサンス」の代表的な作品として知られています。天国と地球の中間、欲望と禁欲の葛藤、関心と不安といったものが表現しています。(続きを読む)

『超立方体的人体(磔刑)』は、1954年に制作された作品で科学に夢中になっていた頃の作品です。西洋美術史の伝統的な主題であるイエス・キリストの磔を基盤にして、四次元の超立方体「ハイパーキューブ」の展開図を描きました。(続きを読む)

『メイ・ウエストの唇ソファ』は、1937年にデザインされた超現実家具です。実際の制作は家具職人でダリはデザインを担当しました。ハリウッド女優メイ・ウエストからインスピレーションを受けて制作したもので。20世紀で最もセンセーショナルな家具とされています。(続きを読む)

『アンダルシアの犬』は、1929年にルイス・ブニュエルとサルバドール・ダリの二人が共同監督として制作した無声短編映画です。美術史としては初めてのシュルレアリスム映画として評価されています。(続きを読む)

『目覚めの一瞬前に柘榴の周りを蜜蜂が飛びまわったことによって引き起こされた夢』は1944年にサルバドール・ダリによって制作された作品です。1962年にダリはこの作品についてフロイトの夢解釈からヒントを得て描いたと話しています。(続きを読む)

『レダ・アトミカ』は1949年に制作された作品です。ベースにしているのは古代ギリシア神話の「レダ」で、白鳥と台座に座ったスパルタの神話の女王レダが描かれています。レダは妻ガラの肖像となり、ダリは白鳥に姿を変えて描かれています(続きを読む)

『ポルト・リガトの聖母』は、ピエロ・デッラ・フランチェスカ作『天使と六聖人と聖母子』です。全体を緻密な遠近法で仕上げ、ルネサンスの宗教画のもつ荘厳な雰囲気を再現しています。(続きを読む)

『ロブスター電話』は英国人コレクターであるエドワード・ジェイムズの依頼により、本物の黒電話に石膏製のロブスターを接着させています。初期超現実オブジェの代表的な作品です。(続きを読む)

『記憶の固執の崩壊』は、1954年にサルバドール・ダリによって制作された作品で、1931年に制作された『記憶の固執』のリメイク版です。心理学に関心のあった若い頃から物理学に関心を移した頃の心境をイメージにしています。(続きを読む)

『回顧的女性胸像』は1933年に制作された彫刻作品です。超現実オブジェです。農作業をする夫婦が、教会から聞こえる夕刻を知らせる鐘に合わせて祈りを捧げているミレーの『晩鐘』から着想を得ました。(続きを読む)

『象』は1948年に制作された油彩作品です。「宇宙象」というダリが作った足の長い象が特徴です。『聖アントワーヌの誘惑』や『目覚めの一瞬前、ザクロの実のまわりを一匹の蜜蜂が飛んで生じた夢』など、さまざまな作品に現れるダリの代表的なイコン聖像の1つです。(続きを読む)
年代別
・フィゲラス付近の風景,1910年
・窓辺の少女,1925年
・パンの籠,1926年
・器官と手,1927年
・陰鬱な遊戯,1929年
・欲望の謎 わが母、わが母、わが母,1929年
・大自慰者,1929年
・記憶の固執,1931年
・部分的幻覚-ピアノの上に出現したレーニンの6つの幻影,1931年
・カタルーニャのパン,1932年
・皿のない皿の上の卵,1932年
・回顧的女性像,1933年
・茹でた隠元豆のある柔らかい構造(内乱の予感),1936年
・縄跳びをする少女のいる風景,1936年
・ロブスター・テレフォン,1936年
・水面に象を映す白鳥,1937年
・燃えるキリン,1937年
・ナルシスの変貌,1937年
・メイ・ウエストの唇ソファ,1937年
・新人類の誕生を見つめる地政学の子ども,1943年
・アメリカの詩,1943年
・目覚めの一瞬前に柘榴の周りを蜜蜂が飛びまわったことによって引き起こされた夢,1944年
・白い恐怖,1945年
・聖アントワーヌの誘惑,1946年
・象,1948年
・レダ・アトミカ,1949年
・ポルト・リガトの聖母,1950年
・十字架の聖ヨハネのキリスト,1951年
・球体のガラテア,1952年
・記憶の固執の崩壊,1954年
・超立方体的人体(磔刑),1954年
・自らの純潔に獣姦される若い処女,1954年
・システィナの聖母,1958年
・クリストファー・コロンブスのアメリカの発見,1958年
・亡き兄の肖像,1963年
・魚釣り,1966-1967年
・つばめの尾,1983年
・かたつむりと天使,1977-1984年
注目のコラボレーション
・アンダルシアの犬,1929年 ルイス・ブニュエルとの共作
・セレブ業界とのコラボレーション エルザ・スキャパレッリ、クリスチャン・ディオールなど
・ディスティーノ(運命),2003年 ウォルト・ディズニーとの共作
ダリの生涯から作品を考える

ダリの奇抜な振る舞いや大胆な発想で世界を魅了したサルバドール・ダリ。しかし、その表面的な派手さの裏には、科学、宗教、愛、そして無意識への探求が隠されています。次のページでは、ダリの人生の転機や思想的背景に迫り、彼が何を見つめ、何を表現しようとしたのかを紐解きます。