· 

【作品解説】アンディ・ウォーホル「コカ・コーラ3」

コカ・コーラ3 / Coca-Cola (3)

ポップ・アートムーブメントを築いた絵画シリーズ


アンディ・ウォーホル《コカ・コーラ3》
アンディ・ウォーホル《コカ・コーラ3》

概要

作者 アンディ・ウォーホル
制作年 1962年 
サイズ 176.2 × 137.2 cm
メディウム キャンバスにカゼイン
所蔵者 クリスタル・ビレッジ米国美術館、アートブリッジ財団

政治的・経済的平等のシンボル


《コカ・コーラ3》は、1962年にアンディ・ウォーホルによって制作された油彩絵画。当時販売されていたコカ・コーラのボトルを描いた6フィートのモノクロ絵画である。

 

「コカ・コーラ」の絵画シリーズの一つで、ほかにも「緑のコカ・コーラ」「コカ・コーラ(4)」などさまざまなバリエーションが存在する。

 

本作品とコカ・コーラシリーズの他の作品は、ポップ・アート・ムーブメントを築いた絵画とみなされている。

 

ウォーホルの代表作として、1961年から1962年にかけて、《コカ・コーラ(3)》と同時期に制作した『キャンベル・スープ缶』が知られているが、キャンベル・スープ缶はウォーホルの『コカ・コーラ』シリーズと商業文化という思想を共有している。

 

 

彼の最も有名な作品のいくつかは、スープ缶やコーラの瓶など、いくらお金を払っても一貫して同じ品質の製品が大量生産されるものに焦点を当てたものである。

 

 

ウォーホルはコーラに対してユニークな視点と関心を持っていた。ウォーホルは「コーラはコーラであり、いくらお金を積んでもより良いコーラを手に入れることはできない」と述べ、経済的・政治的平等という考えを暗示していた。ワインや高級酒との大きな違いである。

 

ウォーホルは、自分が誰であろうと、隣の人より良いコーラやスープの缶を買うことはできないという考え方に惹かれた。

 

結局、ウォーホルはスープ缶やコーラの瓶のようなアイテムの均一性に感心したのである。

来歴


ウォーホルの最初のステーブル展では、100個のスープ缶、100枚のドル紙幣、100個のコーラ瓶という3つの代表連作が展示された。

 

1960年から60年の間にウォーホルは2バージョンの《コカ・コーラ(3)》を制作している。それらは互いに非常によく似ているが、一方はキャンバスの右上隅に大きな黒い斑点があるのが特徴である。

 

2013年、アンディ・ウォーホル作品の最大のコレクターの一人であるムグラビ家がこの作品を売りに出すことを発表した。

 

彼らは20年前に、億万長者のコレクターからと噂されるこの絵を購入していた。

 

2013年にクリスティーズで5730万米ドルで落札された。購入者はアーカンソー州ベントンビルのクリスタル・ブリッジ米国美術館とテキサス州のアート・ブリッジ財団の共同となっている。


■参考文献

https://collection.crystalbridges.org/objects/4398/cocacola-3、2022年5月13日アクセス

https://collection.artbridgesfoundation.org/objects/8795/cocacola-3、2022年5月13日アクセス

https://en.wikipedia.org/wiki/Coca-Cola_(3)、2022年5月13日アクセス