ブレック・ル・ラット / Blek le Rat
ステンシル・グラフィティの父
概要
ブレック・ル・ラット(1952年生まれ)はフランスのグラフィティ・アーティスト。本名はザビエル・プルー。ブレックはパリのグラフィティやアーバンアート運動における最初期のアーティストの1人であり、また、「ステンシル・グラフィティの父」と評価されている。バンクシーに多大な影響を与えたこともでも知られる。
ザビエル・プルーは、1951年11月15日、パリ郊外西部の町ブローニュ=ビヤンクールで生まれた。1981年に芸術制作をはじめ、パリ中のストリートの壁にネズミのステンシル作品を描く。ブレックはネズミを「街で唯一の自由に動物」であり、また「ストリート・アートのようにどこにでもペストのように増殖する」ものの象徴として描いた。
ブレック・ル・ラットという名前のルーツはマンガ『ブレック・ル・ロック(Blek le Roc)』にある。「ロック」の部分を、「art」のアナグラムとして「rat」に代えて使用したという。
1971年にニューヨークを訪れ、ニューヨークの初期グラフィティ・シーンに強い影響を受けてパリに帰国する。パリとニューヨークでは建築様式が異なるため、ブレックはパリに適したグラフィティ様式を独自に改良した。
ブレックはほかに1980年代に巨大な人物像を描いていたカナダのアーティスト、リチャード・ハンブルトンの影響を受けていると認識されている。
1985年にブレックはフランスのボンディで初めてグラフィティやアーバン・アート運動ともに発生したグラフィティ集団「VLP」に参加。この集団にはほかに、ジェフ・アエロソル、フューチュラ2000、ミス・チック、SP38など国内外のグラフィティ・アーティストで構成されていた。なお、一般的にVLPグループの形成と同時にフランスのストリート・アートの歴史がはじまったとみなされている。
現存しているブレックの最古のストリート・アートは1991年に制作したカラヴァッジョの『ロレートの聖母』のレプリカで、彼の未来の妻となるシビルに捧げた作品である。2012年にドイツのライプツィヒにある家の壁に貼られたポスターの後ろから再発見された。
ブレックは今日のグラフィティ・アートやゲリラ・アート運動に多大な影響を与えている。彼のおもな制作動機は社会的意識と人々に芸術をもたらしたいという要求である。作品の多くは、より大きく抑圧的なグループに反対する孤独な個人の絵である。
■参考文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/Blek_le_Rat 2019年1月28日
■画像引用
※1:https://en.wikipedia.org/wiki/Blek_le_Rat 2019年1月28日