香港人は変幻自在展2020「友よ、水になれ」
香港プロテスト・アートの展覧会
概要
「香港人は変幻自在展2020『友よ、水になれ』」は、2020年12月16日から20日まで東京・目黒区美術館区民ギャラリーで開催された展覧会。
香港政府の覇権や理不尽な法律と政策に対して行われた2019〜2020年の抗議運動の際に使われたさまざまな道具、ポスター、スローガンやデモ隊の写真が一堂に展示された。アジア、または世界に先駆けたプロテスト・アートに特化した展覧会でもある。
展覧会名の「水になれ」とは、香港のアクション俳優李小龍(ブルースリー)の名言で、水のように自在に動き、ときに破壊的な力を持って政府機関に対処するという意味である。同時に、今回の民主化運動に参加している香港人の中心思想となっている。
香港政府の覇権に対抗し、民主を求める運動の中、香港人は「Be Water, my friend.」で自分たちに柔軟性を忘れないようにと言い続けている。
ロードブロックの再現
特に目立った展示物は、香港警察の前進と攻撃を防御するために考案された「ロードブロック」の再現だろう。「傘の陣」はゴム弾やビーンバック弾などの攻撃力を弱め、また傘はある程度、視線の妨げになった。傘の陣の前に設置された無数の小さなレンガは車の通過を妨げるのためのバリケードである。美術的でもあり2020年10月末、イギリス博物館の最優秀デザイン賞候補の一つとしてノミネートされた。
民主女神像
また、香港の民主を象徴する「民主女神像」のレプリカが展示された。東京都内のメーカーに依頼して作られたもので、2020年10月3日に池袋で初披露された。なお、本物の民主女神像は2019年8月に完成し、ライオンロックに運ばれたがすぐに破壊された。その破壊された本物の民主女神像の頭部も展示された。
香港デモに関する絵画・イラストレーション
香港デモに関するイラストレーションや絵画も多数展示された。最もよく知られている作品はKai_lan_eggの『女性「武勇派」』だろう。武勇派を表現した女性像は香港民主化運動において重要な役割を担ってきた。彼女の服には今回の運動に関する大事件やポイントが描かれている。
香港デモのドキュメンタリー映画『香港画』
なお、香港デモの短編ドキュメンタリー映画『香港画』が、2020年12月25日から渋谷アップリンクで上映されており、同展覧会のサテライト展示が行われている。
『香港画(ほんこんが)』12/25(金)~東京・アップリンク渋谷、吉祥寺ほか全国順次公開/
— 映画『香港画(ほんこんが)』/Montage of Hong Kong (@Hong_Kong_Ga) November 22, 2020
高まる緊張、飛び交う怒号、振り下ろされる警棒、その血は何のために流されたのか。その声は届くのか。激化した2019年香港民主化デモの渦中に飛び込み、28分間に凝縮した胸引き裂かれる短編ドキュメンタリー。 pic.twitter.com/0XNAuNBYU9