【美術解説】バウハウス「合理的な近代デザイン」

バウハウス / Bauhaus

合理的な近代デザイン


グロピウスによるバウハウスのカリキュラム(1922年)
グロピウスによるバウハウスのカリキュラム(1922年)

概要


モダニズムデザインの代名詞


バウハウスは、1919年に第一次世界大戦後ワイマール共和国時代に始まったデザイン運動、また学校。ドイツ語で「建築の家」を意味する。ウイリアムス・モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動やアール・ヌーヴォーと同じく、職人の地位的向上を目指していた。


バウハウスは、自然主義的で流線的で装飾性が中心のアール・ヌーヴォーと異なり、幾何学的であり、機能主義的なデザインが特徴「モダニズム」と呼ばれるデザインの代名詞といえる。新しい機械ないし、工業生産時代を迎えるにあたり、デザインはどうあるべきかという問題に取り組み、工場建築、集合住宅などに特に成果をあげた。


建築家のワルター・グロピウスが運動の中心人物。バウハウスの前身はワイマール大公が設立した美術アカデミーと工芸学校(校長はベルギーのアール・ヌーヴォーを代表するデザイナー、ヴァン・デ・ヴェルデ)で、グロピウスはこれをひとつに統合してバウハウスと名づけた。


バウハウスデザインの中心は建築である。グロピウス自身、中世の総合芸術ともいうべき大聖堂を思い浮かべつつ、「すべての造形活動の最終目標は建築である。建築を装飾することはさまざまな美術の最も高貴な課題である」と述べた。


学校として存在し得たのは、ナチスにより1933年に閉校されるまでのわずか14年間であるが、その活動は現代美術に大きな影響を与えた。


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