オードリー・カワサキ/Audrey Kawasaki
L.Aアートシーンの新星
概要
生年月日 | 1982年3月31日 |
国籍 | アメリカ |
活動地域 | ロサンゼルス |
スタイル | ポップシュルレアリスム |
表現媒体 | 絵画、イラスト |
関連サイト |
ThinkSpaceギャラリー(取扱画廊) |
オードリー川崎(1982年3月31日、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ)は、ロサンゼルスを拠点としている画家、ポップシュルレアリスト。性衝動の強い思春期少女のエロティックなポートレイトが代表的な作品。
「VOGUE」や「Y ArtsMagazine」をはじめ、海外メディアでは「L.Aシーンの新世代アーティスト」「コンテンポラリーアートの旗手」として高い評価を受けている。
エロティックさとイノセンスさの両面を持ち合わせた思春期少女を日本のマンガ的な線で描く。特徴はその目つき。彼女の絵に出てくる少女の目つきはほぼ一貫して色目。まず色目を描いて、そのあと輪郭や身体など周りのパーツを書き加えているのではないかと思うほど目に凝っている。そのあたりはグスタフ・クリムトやミュシャの影響が大きい。
また、マンガを中心とした日本のサブカルチャーに影響を受けて育ったこともあり、日本人に親しみやすい絵柄である。実際のところ、最初はマンガ芸術家になりかったという。
キャンバスに利用しているのはウッドボード。木目が生み出すナチュラルなユラユラ感が、幻想的で耽美な世界観をより引き立てている。そこには19世紀末の有機的な自由曲線を利用したアール・ヌーボーの影響が見受けられる。
最近の活動
絵画(ゼルダ30週年記念イベント用作品)
グラフィティ(Pow! Wow! Hawaii! 2016)
立体(ボックス作品グループ展「In Box」)
略歴
幼少期
オードリー川崎は、1982年3月31日にカリフォルニア州ロサンゼルスで、ともに日系アメリカ人の両親の間に生まれ、日本とアメリカ両方の倫理観と考え方、文化の中で育つ。控えめな内気さや感情抑える日本人的なところと、新しい実験的な表現に挑戦するアメリカ人の両方を内在しているという。
子どもの頃は、毎週土曜日に日本人学校に通っており、そこで日本のマンガを読んだり、日本のテレビ番組を見たり、日本のポップ・ミュージックを聞いていたという。そのため日系二世にしては日本語はかなり流暢に話せる。
絵は、子どもの頃にマンガの影響からドローイングを描き始め、中学生の頃から意識的にファンアートの勉強をし始めたという。
美大時代
川崎は高校卒業後、ハンボルト・レッドウッドという小さな町に移るが、すぐにロサンゼルスへ戻り、続いてヨーク市マンハッタン、ブルックリンにある私立美術学校「プラット・インスティテュート」に入学。
2年間ファイン・アートの勉強するが退学する。退学理由は、教授から個人的な絵画スタイルをやめるよう指導を受けたこと。学校が重視する伝統的な美術表現的手法とは全く違っていたためである。
川崎自身は、そもそもニューヨークの学校が“コンセプチャル”なニューヨーク・アートの原理原則に沿って追求する姿勢であることは分かっていた。ただ入学後、川崎にとってファイン・アートは敷居が高く、とても到達できないことが分かったため自主的に退学したという。
ロサンゼルスへ移動
退学後、ロサンゼルスを中心としたロウブロウな西海外であれば若いアーティストを受け入れてくれるだろうと思い、ロサンゼルスに活動の場を移す。
2003年にロサンゼルスの喫茶店「Rooms Cafe」。壁面での展示だった。そこでギャラリーオーナーと出会い、23歳のときに正式の初個展となる。
2006年ごろから評価を高め、L.Aアートシーンの新星と評価されるようになった。またインターネットでの露出の機会が多いこともあって、ソーシャルメディア、アート関係のウェブサイト、ブログ、フォーラム等で多くの人に注目してもらえたという。
2005年にはアリス・スミスの『For Lovers, Dreamers & Me.』のジャケットを担当。2011年にはシンガー・ソングライターのクリスティーナ・ペリーが川崎の作品「My Dishonest Heart」が、アメリカで最も有名な彫師Kat Von Dの手により右腕に彫られたことが話題になった。
日本での活動
2009年5月には、日本でもSpace Yuiにて個展が行われた。日本で展覧会期を発表すると同時に作品予約が殺到という前代未聞の世界中にファンを持つオードリー・カワサキ。世界各国のファンが集まった。
影響
日本の文化
マンガ:いくえみ稜、矢沢あい、楠桂の「鬼切丸」、田村由美、CLANPの「Tokyo Babylon」「X」
映画:岩井俊二「スワロウテイル」
テレビドラマ:「未成年」
古典美術
様式:アール・ヌーボー
画家:アルフォンス・ミュシャ、グスタフ・クリムト、エゴン・シーレ