【作品解説】バルテュス「鏡の中のアリス」

鏡の中のアリス / Alice dans le miroir

官能的な身体と対象的な白目のまなざし


バルテュス《鏡の中のアリス》1933年
バルテュス《鏡の中のアリス》1933年

概要


作者 バルテュス
制作年 1933年
メディア 油彩
サイズ 162.3 cm × 112 cm
所蔵者 パリ、ポンピドゥー・センター

《鏡の中のアリス》は、1933年にバルテュスによって制作された油彩作品。162.3 cm×112 cm。ポンピドゥー・センター所蔵。モデルは兄の学友で翻訳家のピエール・レリスの妻ベディである。本作品は、1934年にパリのピエール画廊で開催されたバルテュスの初個展で展示された作品の1つ。

 

片胸をはだけ、左足を椅子にかけ、膝を立てて性器を見せながら、髪を櫛でとかす若い女性の身体から発する強い官能性と、それとは対照的なほとんど白目を剥いたまなざしが印象的な作品になっている。

 

この作品のタイトルは、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』を参照していると思われる。バルテュスによれば、アリスが相対している鏡は鑑賞者である。


■参考文献

・東京都美術館「バルテュス展」図録

 

■画像引用

https://medium.com/photographs-words/the-influence-of-art-in-my-photography-4515779a72ef