【美術解説】寺山修司・幻想写真館 犬神家の人々〈愛蔵復刻版〉

寺山修司・幻想写真館 犬神家の人々〈愛蔵復刻版〉


概要


「寺山修司・幻想写真館 犬神家の人々」は、寺山修司の絵葉書写真シリーズ『犬神家の人々』を収録した作品集。40年の時を経て伝説の作品集が愛蔵復刻版として復刊が決定。2017年8月25日に復刊ドットコムから出版予定。現在、Amazonで予約を受け付けている

 

 

1973年、それまで森山大道、立木義浩、篠山紀信、沢渡朔、鋤田正義、須田一政らと写真や映画のコラボレーションを続けていた寺山修司は、突然カメラマンになろうと決意し、「アラーキー」こと荒木経惟に弟子入りする。

 

寺山修司が表現する写真は、日常の中から真実を切り取る作業ではなく、限りなく嘘の世界を創り込むことで生まれる。例えば、外国の古道具屋で売られていた古い絵葉書に自分で撮った写真をハガキ大の印画紙に焼き付けて退色させ、不思議な手紙文や世界中から集めてきた切手を貼り、よごれやシミまでもシルクスクリーンで印刷。特注のスタンプを押し、偽絵葉書を作成するなどを試みた。

 

これら写真表現の成果として、1974年にギャルリーワタリ(現:ワタリウム)で、初の写真展「寺山修司幻想写真館 犬神家の人々」を開催。偽絵葉書シリーズは、東京ビエンナーレにも出品された。

 

今回の復刻版で底本となる『犬神家の人々』は、1975年に読売新聞社より発表され、フランスの写真雑誌「ZOOM」にも特集記事が掲載されるなど、大きな反響を呼んだという。

その後、自身が主宰した「天井棧敷新聞」、雑誌「地下演劇」の表紙が寺山の写真作品で飾られ、「平凡パンチ」誌のグラビアページ撮影など、写真家としても旺盛に活動を進めていくことになった。

 

このたび、株式会社テラヤマ・ワールドによる協力で40年ぶりにその姿が現れる。

 

 

※本書は『寺山修司 幻想写真館 犬神家の人々』(1975年 読売新聞社版)を底本に、愛蔵復刻版として出版するものです。

 

※画像は書籍「寺山修司劇場 『ノック』」に掲載されている寺山の「犬神家」シリーズの写真作品です。
※画像は書籍「寺山修司劇場 『ノック』」に掲載されている寺山の「犬神家」シリーズの写真作品です。

大型本: 148ページ

出版社: 復刊ドットコム (2017/8/25)

言語: 日本語

ISBN-10: 4835455142

ISBN-13: 978-4835455143

発売日: 2017/8/25