【美術解説】草間彌生「草間彌生とかぼちゃ作品」

赤かぼちゃ / Red Pumpkin

直島に行くと真っ先に目に入る巨大かぼちゃ


草間彌生「赤かぼちゃ」(1994年)
草間彌生「赤かぼちゃ」(1994年)

概要


「赤かぼちゃ」は、1994年に草間彌生によって制作された屋外展示作品。香川県の直島に設置されている。フェリーが直島の宮浦港に近づくと、真っ先に目に入るアート作品。

 

草間が、かぼちゃをモチーフにした作品を制作し始めるのは1980年代初頭頃。幻覚と幻聴に悩まされていた少女時代に草間を慰めてくれたのが、畑で育てていたかぼちゃだったという。太っ腹で無骨で飾らぬ形、そのたくましい造形に魅せられたという。

 

初めての出会いは祖父の畑。草間はかぼちゃを抱きしめると遠い子供時代にかぼちゃに救われたことを思い出すという。

 

またニューヨーク時代の彼女の創作の源泉となっていたのは、恐怖や怒り、そしてそれらを乗り越えることだったが、かぼちゃをモチーフにすることで初めて愛情を表現することができるようになったという。

 

草間自身はこの作品について「太陽の『赤い光』を宇宙の果てまで探してきて、それは直島の海の中で赤カボチャに変身してしまった」と語る。