時間の謎 / The Enigma of the Hour
キリコの初期形而上絵画作品
概要
不在の感覚
「時間の謎」は1911年にジョルジョ・デ・キリコによって制作された油彩作品。美術キャリアの中でも初期にあたるもので、この頃からイタリア都市の景観や街の広場の形而上的な表現を行い始めた。
「時間の謎」では、古典建築と強いコントラスの光と影で都市を表現しており、絵の中には何人かの人影があいまいな形で描かれている。柱や影や穴のようにも見えるので、はっきりと人物であるとは断定できず、不在の感覚を鑑賞者に与えている。中央にある大きな時計は午後3時をまわろうとしている。